告白
続きです。
それは、暇だから遊ぼうという趣旨のものでした。
私は警戒をしながら他の友人も交えて何かを食べに行ったりカラオケに行ったりするようになりました。
美容師の彼女とも別れ、働き方が不安定な私は夜中によく友人と遊んでいて、そこに妻を連れて行く形ならいいかと判断したのです。
そうしているうちに秋頃から2人で夜中に遊ぶようになりました。
妻の仕事はフルタイムの派遣社員で朝から出勤なので夜中に遊ぶことは体力的にキツいはずなのですが、誘えばほぼ必ず来てくれるので今度は私から連絡をしていました。
私の車で2人でカラオケに行ったり、映画を観たり、この頃から『俺のこと好きなんだろうな…』と気付いていました。いや、もっと前からかもしれないですが、気付かないふりをしていたんだと今は思います。
定職に就かず遊んでる自分が誰かを幸せになんてできないと、そう思っていたからです。
そして冬、私の車で家に送る帰り道に妻から告白されました。
正直なところいつかは来るなとは思っていました。
私は昔から自分に自信がなく、自分から告白したことがありません。しかし自慢ではありませんがありがたいことに告白されることにはそれなりに慣れていて、その時、私が妻を幸せにする自信があまりないこと、昔の彼女のことを引きずっていることをちゃんと話しました。
その上で、それでも一緒にいたいと思ってくれる妻を、受け身ではありますがその時に本当に好きになったような気がします。
勇気を出したであろう妻の震える手を少し握って、その日は送り届けました。
また続きます。